2007年9月16日 の出来事 |
草原を駆ける! -郷城→理塘→康定-
早朝5時半に起床。
康定行きのバスが6時に出る。昨日の夜の時点で1席しか空いてないという話だったのだが、交渉すれば2人乗れるかもしれないという淡い期待を胸に、バスターミナルへ向かった。
それにしても真っ暗だ。
中国はこれだけ領土が広いにも関わらず一律北京時間を採用しているため、時計は6時を示しているが、実質的には4時半ぐらいの感じだと思う。
宿からバスターミナルまで20メートルぐらいの距離にも関わらず、足元がおぼつかず、なかなか辿り着けない・・・。
しかし、空には今まで見たことがないほど無数の星が輝いていて、とてもキレイだ。
バスターミナルに着き、バスの席の点検をしている係員らしきオッサンと交渉。
オッサンの点検が終わるまでバックパックを背負って健気に待っていたが、結局「ダメだ」との返事。
椅子が無くてもいいから乗せてくれと交渉するも、超過積載は罰金3千元取られるからダメだとのこと。
あ~、まあしょうがない。
バスが出発する姿を呆然を見送る僕たち。
ふとさっきの点検オッサンが、バスから降り、バスの後ろの別の車に乗り込む。
それまではバスに隠れて見えなかったが、どうも公安の車みたいだ。
あのオッサンは公安だったのか・・・。
公安の車は、「あ~、朝の一仕事が終わったよ。早く帰って昼寝して麻雀でもやろ」とでも言わんばかりに、バスターミナルを急発進。
ギュイーンと左折したところで、なんと信号待ちしていた車と正面衝突!

勢いよく衝突したにもかかわらず、両車輌から人が飛び出してきて口喧嘩がはじまった。
まったく朝から元気だなあ。どうせ公安が勝つだろうに・・・。
さてどうしよう。
同じようにバスに乗れなかったチベタン夫婦が近くにいたため、話しかけてみると、どうやら乗り合いタクシーで理塘まで行くという。
理塘はここから康定に行く途中にある町だ。
ここでじっとして明日のバスを待つよりも、とりあえず理塘まで行ったほうがいいだろうということで即決し、チベタン夫婦に一緒に乗ろうと提案した。
人数多いほうが一人当たりの料金も安くなるため、チベタン夫婦も快諾。
そうと決まったら出発だ!と乗り合いタクシーに一緒に乗ろうとしていたら、なぜかさっきの公安のオッサンがよってきた。
そして今度はこの乗り合いタクシーの運転手と口論を始めた。ほんと元気なもんだ・・・。
口論が少し落ち着き、公安がちょっとタバコを吸いにいくと、運転手は「急げ、急いで乗り込め!」と僕らに言ってきた。
とりあえず急いで乗り込むと、車は猛スピードで駆け出した。
乗り合いタクシーは、7人乗りの軽のワンボックスカーだが、僕らより前に乗っていた人たちもいて、9人乗り状態となっていた。
もしかしたら、この超過積載を公安に指摘されたのかもしれない。それとも白タク自体が違法なのかな?
まあ、とにかく車内はかなりギュウギュウで、超内股で過ごさねばならなかった。
真ん中に座ってるにもかかわらず酔って吐き出す小姐、鼻水防止のためか鼻にティッシュを詰め込んで黄昏ながら窓の外を眺める先生、ギュウギュウにも関わらずヒザ枕を始める仲の良いチベタン夫婦・・・。
車内は狭かったけど、なかなか楽しい道中だ。

車窓の外には、郷城に来るまでとはまた違った景色が広がっている。
断崖絶壁も少しあったけど、今回はゴロゴロの岩が転がる台地と、湿地草原がメインだ。やはり景色は美しい。


羊とかヤクとかの群れをクラクションで追い払いながら車は進んでいった。
そろそろ着く時間かなあと思っていると、大草原の一角にポツンと集落が見えてきた。理塘だった。
理塘はチベタン色の濃い草原の町だ。町を見回しても漢族風の人は少ない。
標高4,000メートルの大草原に生きる男たちは、威厳と誇りにあふれた勇敢な顔つきをしている。中国の侵攻に対して、最後まで抵抗したゲリラ組織の総司令官も理塘出身だったという。


理塘に到着し、楽しい面々とさようなら。またどこかで会いましょう。
さてこれからどうしよう。
荷物を降ろしながら、まわりをキョロキョロしていると、別の乗り合いタクシーの運ちゃんが話しかけてきた。
康定まで乗ってかないか、と言ってるようだ。
なかなかいい調子でここまで来れたので、嫁と相談の上、これまた即決。昼飯食った後に乗り込むことにした。
結局、理塘には昼飯の30分だけの滞在だった。
草原地帯を抜け、いくつかの町と峠を越える。
あきらかに漢族とは違う顔をした人々、建物の色使い、山道にはためくタルチョ、僕のこれまでの想像とは違うチベタンな四川省の景色がひろがっていた。



しかし、そんな僕らの旅情を台無しにしたのが、前に座っていた漢族のオヤジだった。
このオヤジは、とんでもない痰吐きマシーンだったのだ!
中国人はよく痰を吐くというのは十分わかってるし、2年も住んだから慣れてるつもりだったのだが、このオヤジの痰吐きは尋常じゃなかった。
ほぼ1分に1回ぐらいのペースで「カーッ、ペッ!」と窓の外に痰を吐く。
まあ、痰を吐くだけならまだいいが、その痰のシブキが風に吹き返されて、後ろに座ってる僕らのほうに飛んでくるのだ。
しかもしゃべるのが好きらしく、運転手にやたらと話しかけては、喉に痰が詰まって、カーッとやっている。
そんなに詰まるんなら、しゃべらなきゃいいのに・・・。
しかも、寒くなると窓を開けるのが嫌みたいで、車の床にペッと吐きだした。
あ~、ほんときたない!!
しかし、かなり厳しい移動だった。
舗装のされてない砂埃舞うデコボコ道が多く、飛んだり跳ねたりが続く。
砂埃を防ぐためにマフラーをマスク代わりに口に巻いた僕は、お尻が浮いた拍子に自分の尻でキ○タマをつぶしてしまわないか不安になりながら、痰シブキをよけつつ、外の景色を眺めながら、この苦しい移動を耐え忍んだ・・・。
あまりの揺れで頭がガンガンしてきた頃、眼下に雲海が現れた。

嫁は壮大な雲海を見て喜んできゃっきゃしていたが、実際この雲海の中に突入すると、曇ってて前が全然見えなくて怖い・・・。
まあ雲の中に入ってるんだから当然だけど。
1時間ほどそのような状態が続き、ようやく視界が開けた頃に町並みが見えてきた。
康定の町だ。やっと着いた。。
夜行バスに乗って康定から成都に向かおうかとも考えたが、かなり疲労困憊だった僕らは、車を降りてすぐの所にあった少しまともそうな宿に入り、頭痛薬を飲んでグッタリと寝てしまった・・・。
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