2007年10月27日 の出来事 |
パンツのボタン -バラナシ-
バラナシ生活2日目。
朝起きてさあ今日は何をしようと考えながら、昨日の夜に屋上に干した洗濯物を取りに行く。
屋上からはガンガーが望めるのだが、やはりなかなかいい景色だ。今日はガートまで降りてみることにしよう。

それにしても、インドは暑いだけあって洗濯物がすぐに乾くのがうれしい。おかげで毎日心置きなくパンツも替えられて、清潔な日々だ。
乾いた洗濯物を取り込み、部屋に持ってきてたたむ。
と、急に嫁が「あ~!!」と叫びだした。
聞いてみると、どうも僕の下着(パンツ)のボタンが捻り取られているようだ。あのオシッコする窓のところについてるやつ。
僕は普段からそこの窓を使ってないし(斜め下をめくってあれを出す)、そもそもそのボタンに意味を見出していなかったので、全くどうでもいいことだったのだが、嫁はかなりショックを受けているようだった。
どうもここで働いている子供が先ほどあやしい動きをしていたらしく、ゼッタイその子供が盗んだ、と言い張っている。
さすがにインドとは言え、そんなもの盗むかねえ。。
まあでも、そう言い張っているので「うん、そうかもね」と相槌をうつと、もうこんな宿はイヤだ、ということになり宿を替えようという話になった。
結構苦労してたどり着いたわりには、特に良くも悪くもない平凡な宿だったので、まあいいやってことで宿を替えることにした。
嫁を部屋において、ひとりで外に出て他の宿を探し回る。
相変わらず昨日の牛が通路でゴミをあさってて邪魔だったが、2日目だけあって、こっちも避け方というか、かわし方というかそういうのがわかってきたみたいで、難なくクリアした。
牛の心がだいぶ読めるようになったぞ。
ここバラナシは、相当な数のツーリストが集まる街だ。
街を歩くと、そこら中に金髪の欧米人がいるし、日本人もよく見かける。英語はもちろんのこと、ところどころで日本語の看板も見かけるし、日本語を話せる店員なども結構多い。

飯屋に行けば、サンドイッチにパスタ、イスラエル料理に韓国料理、日本料理と様々な料理がメニューに載っている。
そんな街だから、宿も当然多いわけで、探せば安くて良い宿がいくらでも見つかりそうなのだ(「良い」と言ってもインドでいうレベルの「良い」だが)。
というわけで、いろんな宿を回ってみる。
キレイな宿もあれば汚い宿もあり、無愛想な従業員もいればアホみたいに陽気な従業員もいる、お香の漂う宿もあれば香ばしい煙が漂う宿もある…。
普段、宿探しは疲れるからあまり気が乗らない仕事なのだが、ここバラナシではナゼか楽しく感じた。なんでだろう?
で、いろいろと回った挙句、最終的に決めたのは「久美子ハウス」。
バックパッカーの間ではとても有名な日本人宿だ。
あまりいい噂は聞いてなかったけど、最近(?)できたらしい新館はそこそこキレイでガートにも近いし、1部屋1泊100ルピー(300円)というのも結構安い。従業員のインド人もなかなか楽しそうなやつだ。

まあ有名な宿だし、どんな感じか一度泊まって体験してみようということでここに決定した。
チェックインは旧館で行うように言われ、さらにガート寄り(ガートの目の前)に位置する旧館のほうへ。
玄関をくぐるとオーナーの久美子さんがいた。
想像通り、いかにも豪快そうでファンキーな感じのオバサンだった。
パスポートを出そうとすると、「今忙しいからちょっと上のドミトリーで待っててよ」と言われたため、ドミのある3階まであがる。
過去に長渕剛や麻原彰晃(再び登場!)も泊まったと言われるこの久美子ハウス。ワンフロアに数十台のベッドがずらっと並ぶドミトリーは、なかなか雰囲気があって、沈没するにはもってこいといった感じのところだった。

泊まっている人たちの話を聞くと、数ヶ月間ここに泊まってるような人も結構いた。ここでのノンビリとした沈没生活がきっと楽しいんだろうなあ…。
数十分後、ようやくチェックイン。
それにしてもインドでは、宿にチェックインする際、パスポートNoだけでなく、日本の住所とか入国場所とか色々書かないといけないので面倒くさい。
外国人の行方不明者とかが多いらしいので、しょうがないかもしれんけど。。
チェックイン後、部屋に入り少しゆっくりする。
嫁さまもだいぶ元気になったようだし、今日は二人で散策することにしよう、とボチボチ出かける準備をしてたら、部屋のドアの隙間からなんか動くものが見えた。
「なんだなんだ!?」とドアの外に出てみる。
猿がいた。
で、部屋の窓をあけて目をこらして外を眺めると、大量の猿がいた。30匹ぐらいはいるようだ。
猿にとってもここは聖地なんかな?

そういえば久美子ハウスのドミにいた人も、猿に帽子を取られたとか言っていたが、もしかすると僕のパンツのボタンも猿に取られてしまったのかもしれないなと思った。
うん、気をつけよう。
二人で外に出て、街を散策する。
ガンガー沿いのガートに行ったり、花市場に行ったり、土産物屋に入ったり、疲れたらチャイを飲んでゆっくりしたり…、特に変わったことはしてないんだけど、なんかやっぱりこの街は楽しいなあ。


夕方ぐらいになり「今日は散歩しただけだけど充実した一日だったなあ」と満足感にひたりながら宿のほうへ向かって歩き出す。
と、急にパンツのボタンのことが気になりだした。
もしかするとあのボタンはとても重要なものだったかもしれない…、そんな不安に駆られ、立ちションスポットで立ちション。

うむ、やっぱりボタンは意味が無いということが確認できた。よかった、よかった。
宿に戻ると、もう18時近くになっていた。
久美子ハウスでは18時から夕食となっている。一人20ルピーで久美子さんの作る久美子飯が食えるそうだ。
食事場所は旧館のドミ、というわけで再び旧館3階のドミに入る。
入ってから数分が経った頃、下から「ご飯できたわよ~」という声が聞こえてきた。
その声とともに、階段のほうに駆け出す宿泊者たち。
なんだろうと思っていたら、そのうちの一人に「ここはバケツリレー方式なんですよ」と言われる。
意味がわからないが、とりあえず皆と同じように階段のほうに向かうと、下から人伝いに料理が運ばれてきた。
人から人へと、大きな器に入った白飯や味噌汁、コロッケなどが運ばれてくる。なるほど、たしかにバケツリレー方式だ。
ドミの真ん中に、運ばれてきたそれらの器を置いて、各自で皿に取り分け。
食ってみるとこれが意外と美味い!
材料がインドのものなので、純粋な日本食とは言えないまでも、さすがに日本人が作ってるだけあって懐かしい味がする。

オマケにお替りもたくさんできるし、こりゃいいや。
沈没している人たちも結構いい人たちで、なんか給食みたいな感じがして楽しい。
う~ん、ますますバラナシが気に入ってきたなあ…。

comments