2007年11月07日 の出来事 |
絶体絶命のピンチ! -ジョードプル-
早朝の夜行バスの車中、朝日で目が覚める。
ちょうど地平線から綺麗な太陽が昇り始めた頃だった。
少し肌寒いけど、やっぱりこうやって陽の光とともに目が覚めるってのは何とも理想的だなあ、などと感慨にふけりながら、目クソだらけの目を擦る。
姐さんも嫁も、まだぐっすり寝ているようだ。隣のビン・ラディンもいつの間にかバスを降りたようで、また別のインド人が隣に座ってイビキをたてながら眠っていた。
今日到着する予定のジョードプルは、ブルーシティと呼ばれる町だ。まあその呼称の通り、町中の建物に青があふれているという。
もともと行く予定は無かったのだが、青色が好きな嫁が、この町の写真を見て「ゼッタイ行きたい!」と主張したので、行くことになった。
まあでも写真を見る限りとてもキレイな町だったし、なかなか楽しみだ。
あと1~2時間で到着かなあ、と考えながら、本を読んだりして時間をつぶす。
朝弱い僕はグダグダな朝を迎えるのが常なのだが、こうして朝日に照らされると、なんともシャキッと目が覚めて活動的になるものだ。
なかなか良い気分で本を読みふける。
と、なんか体の調子が局部的におかしくなってきた。
腹が痛い・・・。
もともと腹は弱いので、よく壊すことはあるのだが、こうして移動中に腹が痛くなるのはこの旅で初めてだった。
「やばい、昨日の夜食べた辛いカレーのせいだ・・・」
最近はインドに慣れてきたので、大丈夫だろうと思ってガッツリ食べた辛いカレーだったが、やはり胃腸への負担はかなりのものだったのだろう。
あと1時間程度なら我慢できるかも、と思いながら、腹痛の波に負けないよう平常心を保つ。
が、波はかなり荒れていた。
しかも腹が痛いだけならまだしも、ケツからの排出を促すような感じのウネッとした波なのだ。
腸からお尻の穴にかけてモグラが駆け抜けているような、そんな感触と音が体の中に響きわたる。
こうなると、もうほとんど体を動かすことができない。
バスの揺れにも、なるべく体が動かないよう、刺激を与えないよう、つま先立ちでバランス取りながら、下を向いて虚ろな表情をするしかない・・・。
冷や汗が額を落ちてくる。
しばらくして、姐さんと嫁が起きだした。
あきらかに蒼ざめた顔をしている僕を見て、心配そうに「どうしたの?」と聞いてくるが、「はらがいたい・・・」と小声で言うぐらいしかできない。
あ~、ほんとやばい。
小学生の頃、学校からの帰り道、思わずウンチをパンツの中に漏らした(推定1センチほど)ことがある。
それから20年近く経ち、あの汚名がやっと晴れてきたかと思っていたのだが、またそれと同じような悪夢に直面しようとしている。
しかも、この感覚からして、1センチどころではない。たぶんグチャグチャでモリモリなヘビーなやつだ。
もしここで漏らしてしまったら、これから20年、48歳ぐらいになるまで、僕はどうやって生きていけばよいのだろう。この旅ももう続けられないかもしれない・・・。
そんなことを考えながら痛みと排出感を堪えるが、一向におさまる気配は無い。。
隣に座っているインド人も心配そうに僕の顔を眺めている。
僕のことが心配なんじゃなく、自分に被害がかかるんじゃないかということを心配している、そんな怯えた表情だ。
と、バスがちょくちょく停車し始めた。
周囲の景色も、だいぶ町に近づいてきているのではないかと思わせるような感じだ。
あと、もう少しかもしれない・・・。
しかし、もう限界に到達しようとしていた。ケツの筋肉を一瞬でも緩めようものなら、もう最期だ。
「次にバスが停車したら、どこであろうと降りる・・・。あとは頼んだ・・・。」
震えながら小さな声で、嫁にそのように告げた。
・・・すると、その3分後にバスは停車した。
乗客のインド人たちも席を立って出口に向かっていたが、「うお~!」と動物のような叫び声をあげながら、そいつらをかき分けて出口へ向かう。
そしてどうにかバスを降り、野グソできそうな場所を探す!
しかし、キョロキョロと周囲を見回しても、いい感じの隠れ場所がない。
人通りも少ないし、最悪、壁に向かってやればいいかと、道路わきの壁みたいなところに震えながら足を進める。
すると、そこに一台の屋台があるのが目に入った。まだ開店前のようで、誰も人がいない。
「よし、ここしかない!」
と、屋台のデッパリみたいな所に身を隠してしゃがみこむ。
もしかすると、デッパリの下から僕のチ○コと尻が見えてるかもしれないが、そんなの気にしている場合じゃない!
パンツを下ろすとともに、すごい勢いであふれ出てきた。
ふう・・・。
目の前に天使が見えるような、そんな感じだった。
これで旅がまた続けられる。
もしかすると、この旅で一番幸せを感じたひと時だったかもしれない・・・。
バスが停車した場所へ戻ると、嫁と姐さんが荷物をおろして待ってくれていた。いやあ申し訳ない。
どうやらここがジョードプルらしく、終点だったみたいだ。ラッキー。
先ほどの屋台に目をやると、そこを離れてから3分ぐらいしか経ってないにもかかわらず、なんと開店していた。
お~、危なかった。っていうか、屋台の人ごめんなさい。。
屋台の主人と目が合わないよう、そそくさと三人でリクシャーに乗って町のほうを目指した・・・。
町に着き、宿を探してチェックイン。
青く塗られた宿を出て、青い家屋の立ち並ぶ、青い町へと繰り出す。
さすがは、ブルーシティー。この青一色の感じは結構すごい!


市場に行ったり、オムレツを食べたり、両替したり、トマトを買ったり・・・、そんな感じで町をブラブラと歩き回る。
町の雰囲気もけっこう楽しそうだし、インドにしてはいい人が多そうだし、しつこい客引きとかもいないし、歩き回ってたらなんかこの町でユックリしたくなってきた。
姐さんと嫁もけっこう気に入っている様子。
人生最大かもしれないピンチも無事に乗り切れたことだし、しばらくこの町でノンビリしようなかあ・・・。


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