世界一周 かけあし夫婦旅行 - かけてこ

かけてこ ~世界一周かけあし夫婦旅行~

バックパック背負って世界に飛び出した夫婦の、かけあし世界一周の模様をつづったバックパッカー旅行記です ⇒サイト案内

2007年12月 7日 の出来事

三大宗教の聖地 -エルサレム-

オリーブ山に上るとエルサレムの旧市街が一望できた。

岩のドームの青タイルと黄金の丸屋根、それと木々の緑以外は、いたって色彩感のない灰色がかった街のように見える。

エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地とされている。三宗教あわせて35億人にとっての聖地だ。

2500年前にバビロンから開放されたユダヤ人たちがここにヤハウェの神殿を建て、2000年前にイエス・キリストがこの街にあるゴルゴダの丘で処刑され、1400年前に預言者ムハンマドが岩のドームの建つ場所で昇天した。

この街は、千年単位の歴史の中でも褪せることなく、信仰の中心として圧倒的存在感を示し続けてきた。そして、十字軍、中東戦争、パレスチナ問題・・・、数々の血生臭い歴史がこの街を焦点として展開されてきた。


今我々が生きている現代というものが、脈々と続く歴史の過程で成立しえたものであって、長い歴史の中におけるある一点にすぎない、ということは頭ではわかっていても、なかなかそれを自分の中で消化できるほどに理解することは難しい。

日本にいると特にそんな気がする。

実際、僕自身がそうで、例えば京都の有名な寺院や東京の史跡を訪れても、すごいなあとは思うけど、「へえ、そんなことが昔にあったんだ」、「こんなのが昔に建てられたんだ」で終わってしまう。

わずか60年前に起きた戦争でさえ、教科書やテレビの中での出来事であり、全く違う世界で起きたことのように感じてしまう。歴史がどこかで断絶して、急に現代社会が現れたかのように錯覚してしまう。


でもイスラエルに来て、「歴史の中における現代」という感覚が少しわかった気がした。

街中にあふれる軍人と銃、そして昨日の「壁」を見て、歴史というものが生き物のように生々しい血をたぎらせて、はるか昔から延々と続いてきているのだということを実感した。


少し視点を変えて考えてみると、こんな中で生活を送っているユダヤ教徒たち、特にイスラエル国家の首脳たちは、ものすごい歴史観を持っているのではないかと感じてしまった。

過去の歴史の中での出来事、そして数千年後の視点(数千年後に、世界においてイスラエルはどうなっているべきか、どういうものを築き上げねばならないか、といったような視点)とを照らし合わせながら、現代社会において自分達がやるべきこと、成すべきことを考えているのではないか。

現代社会において、イスラエル国家が執り行っている数々の非人道的と思われる所業も、歴史の中においては取るに足らない些事であり、彼らの数千年後の視点からすればむしろ正当化されるべき事になるのかもしれない・・・。

考えすぎかもしれないけど、そんな気がした。


オリーブ山を下ると、イエスが処刑前夜を苦悶しながら過ごしたといわれる教会が見えてきた。エルサレムの旧市街の眺めとは対照的に、色鮮やかな壁画が柱の壁に施されていた。

先述したように、エルサレムはキリスト教にとっても聖地とされている。

しかし、イスラエル全人口に占めるキリスト教徒の割合は3%と言われており、ユダヤ教徒80%、イスラム教徒15%に比べると、かなりの少数派だ。

それがウソのように聞こえてしまうのは、キリスト教ゆかりの地や教会、またキリスト教徒らしき人(単なる欧米人かもしれないけど)を、街の中で多く目にするからかもしれない。

苦悶の教会の中へと入ってみると、数十人の韓国人たちが神父の前に立って熱い眼差しを捧げていた。

韓国もクリスチャンが多いと言われているが、こうして教会に集う韓国人たちを見ていると少し不思議な気もした。あのベツレヘムで生まれたイエスの思想が、日本のすぐそばに住む彼らの心の中にも深く根を下ろしているのだ。

教会の中に美しい歌声が響き始めた。韓国人たちが賛美歌を歌い始めたようだ。


鳥肌が立つような歌声だった。賛美歌がこんなに美しいものだとは知らなかった。


教会を出ると、アザーンが鳴り響いていた。イスラム教徒たちの礼拝の時間だ。

「アッラーは偉大なり」

「アッラーのほかに神なし」

街中のモスクの拡声器から流れる歌声にも似たその朗詠は、ヤマビコが幾重にも重なりあったかのように、エルサレムの空に隙間無く響き渡っていた。

なんとなく頭が混乱してきた・・・。


アザーンを聞きながら、アテも無く旧市街のほうへフラフラと足を進めていくと、嘆きの壁の入口に出た。

セキュリティチェックを受けて中に入ると、幅50メートルほどの茶褐色の壁が見えてきた。

壁の前では、黒い帽子に黒いスーツを着て、ヒゲとモミアゲを異様に伸ばした正統派ユダヤ教徒が、壁に向かって聖書を読み上げている。

黒い格好に身を包んでいるのは老人だけではなく、青年、子供までいた。壁にもたれながら体を震わせて涙を流している人もいる・・・。

嘆きの壁を遠目から見ると、すぐ隣に岩のドームが見えた。

もう何が何だかわからないような気がしてきた・・・。


その不調和感を抱えたまま、旧市街をさらに進む。

わずか1キロ四方の土地の中に、ユダヤ教区、キリスト教区、イスラム教区が存在するこの旧市街、居住区ごとにそれぞれ景色が異なり、歩いているととても不思議な感じがする。

あるイスラム教徒から聞いた話だが、イスラム教徒は僕らとは婚姻関係を結ぶことができないという。

理由は無宗教だから。

でも、イスラム教の一応ルーツにあたるユダヤ教徒、キリスト教徒とは結婚できるそうだ。そういうことがコーランに記述されているらしいのだ。不思議なものだ。

この街でも、かつてはそうした異教徒間の結婚が行われていたのだろうか。今では、ユダヤ教徒とイスラム教徒の結婚なんて到底考えられないが・・・。

その後、イエスが没した場所に建てられた聖墳墓教会やダビデの塔などを見学してから宿へ戻った。

ふう・・・、昨日、今日と何かと考えさせられる日々でちょっと疲れた。。


昨日と同じように宿で夕食。

食後はゆっくりしようかと思ってたら、なぜか宿の談話スペース(食事スペース)でパーティーみたいなのが始まった。

シンセサイザーまで飛び出し、まるでクラブじゃないかと思うぐらいガンガン音楽を流しながら、宿の従業員と少数の宿泊客が踊りまくっている。

意味不明・・・。

ほとんどの客が引いてる感じなのに、超ノリノリの従業員。音的にもイマイチだし、ノリもビミョウだしで、当然のように部屋に引きこもる。

「君らも参加しなよ!」とウザイぐらいに手を引っ張ってくる従業員を無視して部屋に引きこもる。が、部屋まで音はガンガン響き渡ってきた・・・。

そんなウルサイのが深夜1時ぐらいまで続いたのでした。ああ、意味不明。



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