2007年12月14日 の出来事 |
スプーン泥棒 -チェスキー・クルムロフ→プラハ-
やたらと派手なペイントがほどこされたプラハの宿HOSTEL ELFに到着したときには、すでにあたりは暗くなっていた。
時計を見るとまだ夕方5時・・・。
この暗さで体内時計(腹時計?)も狂ってしまったのか、こんな早い時間にも関わらず、お腹がグ~ッと鳴り出したので夕食を食べ出かける。

嫁の調子もだいぶ回復したため、今日はチェスキー・クルムロフを出て、ここプラハまで移動してきた。
その街並みの美しさはヨーロッパ随一とも言われる都市プラハ。
今回、中欧・東欧を周る中で、最も楽しみにしていた街といっても過言ではないほど、憧れの街だった。
中世の面影を残すこのボヘミアの古都で、どんな美しい景色を目にすることができるのだろうか。とても楽しみだ。
暖色系の街灯がともるプラハの街を30分ほど歩き周って、最終的に入ったお店は中華料理屋だった。
さすが世界で最も人口の多い中国人、遠く離れたここヨーロッパにも相当な数が住んでるらしく、中華料理屋はかなり多い。
だいたい、普通の飯屋よりも値段がリーズナブルで、軒先にメニューがずら~っと並んだ写真付きの看板が出ているので、気軽に入りやすい。

実は我々、昼もチェスキー・クルムロフで中華を食べていたにもかかわらず、夜もこうして中華料理屋に入ってしまっていたのでした。
やっぱ、中華料理って美味いからね!
いかにも中国人って感じのパーマかけて口先がとがったオバちゃんが、注文を取りにやって来た。
メニューには、中国にいたときによく食べていた懐かしい料理もあれば、おそらくヨーロッパ風にアレンジ・創作されたであろう聞き覚えの無い料理も並んでいた。
「う~ん、どれにしよう・・・」と考えながら、いくつかの料理名を中国語で声に出してみる。
と、オバちゃんの言葉がそれまで話していた英語からものすごい勢いで中国語に切り替わった。そして、猛烈な早口でツバを飛ばしながら世間話をし始めた。
そこらへんは、中国を離れてもやはり中国人みたい・・・。
早くてあまり聞き取れないオバちゃんの中国語口撃をなんとかかわして、とりあえず適当に料理を注文をした。
あんかけ系のご飯と酸辣湯を注文。味は中国で食べる中華料理とちょっと違うけど、まあなかなか美味しくて満足のいく夕食でした。

ちょうど食べ終わったぐらいのタイミングで、早口オバちゃんのダンナらしきオジちゃんがやってきて皿をさげて厨房のほうへ戻っていった。
お茶を飲んで少しゆっくりした後、会計を済まそうと席を立ち、カウンターへ行きお金を出そうとポケットをあさる。
・・・と、さっきのオバちゃんが、もうこれ以上無いってほどの異様な早口で、顔中の毛穴を広げまくりながら、うちらに向かって大きな声で叫びだした!
「★×☆#▼%*◎&㍍$Ж¥ !!」
お~、なんだなんだ、何を興奮してんだ・・・。早すぎて最後の「ア~」ってのしか聞き取れん。
さらに叫び続けるオバちゃんの声を耳を凝らして聞いてるみると、どうやら「お前たちスプーンを盗んだだろう!」と言っているらしいことがわかった。
スプーン!?
つーか、盗むわけないじゃない、スプーンなんて・・・。
厨房まで連れて行かされて睨まれながら、
「ほら、スプーンが2本足りないだろ!」
と言われるが、もともと何本あったか知らんし・・・。
「そんなの知らんよ」と言い返してみるが、オバちゃんは全く聞く耳持たずで、意味不明な反論が返ってくるだけだった。
う~ん、参った。生理前のうちの嫁よりタチが悪い・・・。
オジちゃんがさっき皿をさげたときに持っていったはずだと言ってみるが、オジちゃんは苦い顔をするだけで肯定も否定もしない。ただオバちゃんの勢いが止まらないことに変わりはなかった。。
遅刻をして罰を受けた小学生みたいに、厨房の片隅に立たされながら、5分、10分・・・と時間は過ぎていくが、オバちゃんの口撃はとどまるところを知らなかった。
最後には、
「こないだマレーシア人の団体もスプーンを盗んでいったから、お前たちも盗んだはずだ!」
と理解不能な理由で僕らを捲くし立てだした。
いやいや、そりゃ我々夫婦は色黒ですけど、日本人だってさっき言ったよね・・・!?
オバちゃんに30回ぐらい「馬来西亜」(マレーシア)と叫ばれ続けた末、ようやくこの中華料理屋を脱出。
苦虫を噛みしめるような思いで、プラハの街をトボトボ歩き、宿へ戻ったのでした・・・。

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