世界一周 かけあし夫婦旅行 - かけてこ

かけてこ ~世界一周かけあし夫婦旅行~

バックパック背負って世界に飛び出した夫婦の、かけあし世界一周の模様をつづったバックパッカー旅行記です ⇒サイト案内

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2007年12月30日 の出来事

オバちゃんの家 -サラエボ→ドブロブニク-

太陽がまぶしい・・・。

サラエボ発ドブロブニク行きのバスの中、「まぶしさ」で眠りから目が覚めた。

ほんとうに久しぶりに味わう感覚だった。

目を開けると、雲の無い青空と緑色をした草木が目に飛び込んできた。もちろん太陽はオレンジ色に照り輝いている。

ヨーロッパに来てからかれこれ3週間ほど経つが、こんな景色は目にしたことは無かった。常に空はどんよりとした雲で覆われ、ほとんどの地域が雪に包まれていた。

それが、バスに乗って数時間移動しただけでウソのように一掃されてしまったのだ。

まるで冬休みに東南アジアの熱帯地域に旅行に来たようなそんな感じだった。

右手にはアドリア海が広がる。

高まる期待を抑えるように深く息を吐き、まぶしさに目を細めながら、その深くて濃い青色をした海をしばらくぼんやりと眺める。

ドブログニクは、13世紀頃から地中海交易の拠点として繁栄した港町だ。

「アドリア海の真珠」とうたわれるその旧市街の美しい街並みは、宮崎アニメの「紅の豚」や「魔女の宅急便」に出てくる街並みのモデルのひとつになったとも言われている。

1991年からの内戦の中で破壊されてしまい、一時はユネスコの危機遺産リストにも載せられたほどであったそうだが、街の再建・復旧活動により、現在はまた元通りの美しさを取り戻しているという。

兎にも角にも「美しい」ということには定評のある街だ。


バスは定刻通りにドブロブニクのバスターミナルに到着した。

バスを降りると、写真付きの紙を手にしたオジちゃんやオバちゃんたちがすごい勢いで僕らに声をかけてきた。

この辺りでは「SOBE」と呼ばれる宿がかなり普及している。

SOBEとは一般家庭の部屋の間貸しのことで、プライベートルームとか言われることもある。大半が、子供が独立して部屋が空いてしまったという年配の方たちによって経営(?)されているそうだ。

普通のホテルよりも安く泊まれるし、アットホームな雰囲気もあって落ち着けるしで、旅人には結構ありがたいこのSOBE。

バスターミナルで声をかけてきたオジちゃん・オバちゃん軍団も、そのSOBEをやっている人たちだった。

部屋の写真と地図を見せながら、自分の家の立地と部屋の素晴らしさを僕らに売り込んでくる。

しかし、ここで声をかけてくる人たちは日本のゼネコンも顔負けのバリバリの「談合」を行っていて、順番制をしいたり、価格を下げないように全員で協力しあったりしているという話を前に聞いていたため、とりあえず無視してバスターミナルの休憩室に腰を下ろす。

「談合してる奴らに屈して無駄に高い金額払うのも嫌だし、かといってアテも無く泊まる所探し歩くのも大変そうだし・・・」

そんなことを二人で考え込んでいたら、さっきの談合軍団の中にはいなかった別のオバちゃんが、こっそりと僕らのほうに近寄ってきて、写真を見せながら、とろけるような口調で話しかけてきた。

「ヘイ、ボォ~イ。130クーナでどう?部屋も結構きれいだし、立地もココだから悪くないでしょ?」

たしかに立地も部屋の様子もなかなか良さそうだ。さっきの談合軍団が提示していたのがだいたい200クーナぐらいだったから、金額的にも全然悪くない。

しかし、何でボーイと呼ばれてるんだろ?まあいいけど・・・。

「ここにしようかなあ」と思ってたら、その様子に談合軍団が気付いたらしく、ものすごい勢いでそのオバちゃんに対して文句を言い始めた。

談合軍団 VS とろける口調オバちゃん。

一方的な口調で文句を言い続ける談合軍団に、とろける口調オバちゃんは相変わらずのとろけそうな口調で立ち向かう。

何をしゃべってるのかもちろんわからなかったけど、少なくともオバちゃんが談合に加わってなくて、まあ適正な料金を提示しているということはわかった。

というわけで、オバちゃんの家に泊まることに決定!

日本では見かけないような旧式のセダンに乗って、バスターミナルと旧市街の中間ぐらいにある、オバちゃんの家へと向かった。

家は普通の民家って感じで悪くない。部屋は暖房がついててベッドも広いし、キッチンも使い勝手が良さそうだ。玄関口に黒猫が何匹かいるのも情緒があってなかなかよい。

オバちゃんに着いてきて正解だったかな。

ちょっと一息ついた後、とりあえず外へと繰り出す。

今までと違って、空も青いし気温もそこまで寒くないドブロブニク。

相変わらずダウンジャケットは必要だけど、外に出るのが億劫にならないってのは素晴らしいことだ。


特に目的もなく適当にブラブラ。

夕陽に照らされるアドリア海とドブロブニクの街並みは、なんともいえない開放感があふれていて、眺めてるだけでも気分がよくなる。とてもあの雪が積もっていたザグレブと同じ国だとは思えない。

道行く人々の表情もなんとなく明るいように思えた。僕らの表情も昨日までよりだいぶ明るくなっているのだろうか。

30分ほど歩いてたら旧市街に到着した。聞いていた通り、赤屋根の家屋が美しいなんとも情緒あふれる街並みだ。

今日は旧市街は軽く散策するだけで済ませ、バスに乗ってオバちゃんの家まで戻ることにした。

ここにしばらく滞在して正月を迎えるわけだし、楽しみは明日以降にとっておこう。

夕食を作って食べた後、部屋にこもって旅先でもらった「魔女の宅急便」を食い入るように観る。

「落ち込むこともあるけれど、わたしこの街が好きです。」

うーん、いいセリフ。かなりテンションのあがる作品だった。

明日以降がますます楽しみになってきた!



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