2008年3月18日 の出来事 |
奇想天外 -ナミビアドライブ-
「お前は奇想天外な質問をするやつだな・・・」
小学生の頃、クラスの先生に「カレーは何で美味しいの?」と質問したとき、そのような返事が先生の口から返ってきた。
おそらく「奇想天外」という言葉を初めて耳にしたのは、そのときだったと思う。
いま考えると、その先生も「カレーには愛情がたくさん入ってるからだよ」とか「リンゴとハチミツが恋をしたからだよ」とか適当な返事を返しとけばいいものを、と思わなくもないが、とにかくそのとき以来、この「奇想天外」という言葉が僕の頭の中でカレーライスとゴッチャになってしまったのだった。
だから、今でもカレーを食べると「奇想天外」という言葉が何となく頭の中に浮かんでくるし、テレビで「どうぶつ奇想天外!」を観ると、みのもんたの顔がカレー色に思えたりしてしまうのだ。
あと、インド人が奇想天外に思えたのも、もしかしたらそれが理由だったのかもしれない。

↑写真はインドで食ったカレー
前置きが長くなってしまったが、ここナミビアには「奇想天外」という和名を持つ植物が存在する。
それは、10メートルもの根を地中深くに張り巡らせて、ジンワリと地下水を吸い上げながら、ナミビアの乾いた大地に2千年もの長きにわたって生き続けるという、驚異的な、まさに奇想天外な植物ウィルウィッチアだ。
そいつは、生涯たった2枚しか葉をつけないらしいのだが、裂けやすく一見何枚もあるように見えるその葉は、ズルズルと地面を這うようにして成長を続け、巨大なものになると4メートルもの大きさになるという・・・。
ん~、ぜひとも見てみたい!
本日、ナミビアドライブ1日目。
ナミブ砂漠は明日見に行くとして、その奇想天外植物ウィルウィッチアを見つけるのが、今日の目標であります!

トラックに乗ってたときは幹線道路しか走ってなかったのでわからなかったが、ナミビアのそれ以外の道はだいたいデコボコとした未舗装道路になっている。
幹線道路が普通にキレイに整備されているので、その未舗装道路のデコボコぶりがすごく際立ってしまうが、人口密度世界第2位(下から)のこの国にとっては、そんな小さな道を整備するのなんて、割に合わなくてやってられないのだろう。どうせ1日30台ぐらいしか車は通らないのだから。
我らがチョロQ的フォルクスワーゲンは、そんな未舗装道路を砂煙をあげながらガンガン突き進んでいく。
こんなショボい車だが、意外とオフロードでもスピードが出るもんで、なかなかいい感じでナミビアの大地を駆け抜けていった。

唯一のネックは地図だった。
ツーリストインフォメーションでわざわざ買ったその地図だが、書かれている内容があまりにもテキトーすぎるのだ。
もしかすると正確に書かれているのかもしれないが、道によって地図に反映されてたりされてなかったりするので、今どこを走っているのかよくわからない。
助手席の嫁が地図を見ながら「次を右ね」と言っても、左へ曲がる道が出てきたりするし、かと思ったら「コレは進めないだろ・・・」と思えるようなショボい道が右側に現れてきたりするのだ。
あと、あまりにナミビアが広大すぎるせいか、地図の縮尺も間違ってるような気がしてならない。
とりあえず、勘と感性をたよりに、地図上にウィルウィッチアの絵が描かれたエリアを目指して、車を走らせていくのだった。

しばらく進むと、目の前に小川が現れた。
我々の勘と感性、それとこのヘナチョコ地図の記載によると、この小川を越えた先に、あの奇想天外植物ウィルウィッチアが生息していることになっている。
雨が降ってできた超細長~い水タマリといった感じのその川は、パッと見た感じ幅5メートルほど。
流れこそ緩やかだが、当然のように橋もかかっておらず「もしかしたら底なし沼かも」と思わせるような茶色く濁った色をしていた。
「突き抜けるぞ~!」
当然のようにそう決意した我々は、スピードをあげてその小川に突っ込んだんですが・・・
向こう岸を目の前にして、あえなくタイヤが埋没。全く身動きが取れなくなってしまった。
車を降りて、後ろから押してみても全く動きそうに無い。
底なし沼じゃなかったのが不幸中の幸いだが、さてどうしよう。。
けっこう途方に暮れていたのだが、そんな状態で10分ほどボケーッと立ち尽くしていたら、後方から別の大きな車がやってきた。
お~、天の助け!!
ドイツ人観光客の集団だったのだが、親切な彼らはロープを使って僕らのチョロQをグイングインと牽引し、小川から引っぱり出してくれた。
ドイツ人、ダンケシェン!!
車は泥で汚れたが、エンジンやタイヤなどに特に問題は無く、これから先も支障なく走れそうだ。

結局、小川の先へは進むことはできなかった。
ウィルウィッチアを諦めて、ナミブ砂漠方面へと車を進める我々。
「ウィルウィッチア、残念だね・・・」
悲しいムードが車内に充満し、暗い雰囲気が僕ら夫婦を包み込み始めていた。
あのトラブルを無事に乗り越えられたんだから良しとしなければいけない所だけど、しかしウィルウィッチアから遠ざかっていくのはやっぱりちょっと無念だった。
が・・・
運転中、なんと道端にいるウィルウィッチアを大量に発見!!
普通にいるじゃん、ウィルウィッチア。。

1000歳以上の長老タイプから、100歳ぐらいの小さな子供まで色んなタイプのウィルウィッチがいたが、どれもカピカピに乾いていて、触り心地も見た目も、かなり不思議な感じだった。
ん~、変な感じ・・・。
でも、ずーっと見てても飽きがこない、何ともいえない魅力と味わいを持った植物であることはたしかだった。
いやあ、とりあえず見れてよかった!

気を取り直して、上機嫌でオフロードを駆け抜ける。
窓の外にはナミビアの、美しくそしてスケールのデカい自然の姿が広がっていた。
色んな国を周ってきたけど、こんな感じのワイルドな自然を目の当たりにするのは初めてかもしれない。
何も無いけど、うん素晴らしい。

夕方ぐらいに、ソリタイヤという所に到着。
周囲を見回してもガソリンスタンドと宿以外には何も無いので、町とも集落とも言えないようなビミョウなエリアだが、まあとりあえず今日はここまで来るのが目標だったので、無事に到着してよかったという感じだ。
宿のキャンプサイトにテントを張らせてもらう。
ここにはスーパーはもちろん飯屋もないので、大好きなソーセージを食べることはできないが、スワコプムンドのスーパーで買っておいたシーチキンとかキュウリとかで何とかお腹を満たした。
ちょっと寂しい食事だったけど、でもまあいいや。
明日は砂漠を見るため早く起きなきゃいけないので、ナミビアの地平線に沈む太陽を眺めた後、すぐに真っ暗なテントの中に入って、コテンと眠りの世界へ入っていったのだった。

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