2008年4月12日 の出来事 |
再び皮なめし -フェズ-
相変わらず今日も朝から体中がカユいけど、外の天気はバッチリ晴れ模様。昨日みたいに寒くもないし絶好の観光日和だ!
というわけで、ムハンマドが宿代とシャワー代を回収にやってくる前に、急ぎ足で宿を飛び出し、フェズの旧市街のほうへと向かったのでありました。

印象的な幾何学模様が施されたブー・ジュルード門をくぐり抜け、旧市街の中へと進む。
入口付近こそ、若干落ち着いた感じ、洗練された感じが漂っていたが、奥に進むにつれ、あのマラケシュで味わったようなモロッコ的ゴミゴミ感があふれだしてきた。
賑やかな道の両脇に立ち並ぶ様々な商店、路上にあふれるコッテリ顔のアラブ的オッサンたち、いつものように悲しげな顔してトボトボと貨物を運ぶ働き者のロバたち、唐突に町中に響き始めるアザーンの音。
そんな雑多なものがあふれるフェズの旧市街は、やっぱりなんだか心地が良かった。

細い路地に入り込み、ウネウネと広がったり狭まったりする波のような道を歩み進め、薄暗い中を突き進んだり、突然右に曲がったり左に曲がったりしながら、わざと迷子になろうと試みる。
やっぱり迷宮都市なので、少しぐらい迷子になったほうがいいかなあと思って。
しばらく「どこだここは?」って感じで歩き回っていたのだが、1時間ぐらいしてからようやく見覚えのある広い通りにたどりつき、迷子状態を脱出。
少しあせったりもしたけど、適度に迷子感を楽しむことができてなかなか楽しかったです。

さてそんな感じで、この町の最大の見所、そうあの皮なめし作業場へ!
マラケシュに続いて2度目の訪問です。
「タンネリ」と書かれた看板の近くにいた客引き(?)に連れられて、作業場内へと入り、とある建物の中へ。
建物はどうやらその客引きの店のようで、螺旋階段を上っていきフロアに出るたびに、「うちの店の商品を買わないか?」とそいつは勧めてきたのだが、「そんなのいらん!」と当然のように断固拒絶。
僕らの買う気の無さにチッと舌打ちをかましながらも、彼は僕らを建物の最上階へと案内してくれた。
最上階のベランダへと出ると、そこには果たして、あの僕が思い描いていた皮なめし作業場の風景がドドドーンと広がっていたのでした。
臭いけど、すげー!!

「これが見たかったんだよなあ」と感慨にふけりながら、憧れていたその皮なめし作業場の様子を俯瞰する。
今いる屋上にまでニオイが漂ってくるぐらいの強烈な悪臭がたちこめる中で、職人たちは懸命に作業を行い、色んな形をした皮を1枚1枚洗ったり、色付けしたり、乾燥させたりしていた。
なめし用の桶の中には、何色と表現したらいいのかわからないような、ものすごい色をした液体が大量にあふれていた。
皮に付着していた汚れ、溶け出した皮の成分、柔軟剤として使われている鳩のフン、皮を染めるための染料、そうしたものが混ざりまくった結果なのだろうか、桶の中の液体は何年間も汲み替えられていないのではないかと思うほどに、ディープで不気味な色をしていた。
「ドス」だなと思った。
あの「ドス黒い」とかいう表現で使うやつだ。
意味はよくわからないけど、ここには「ドス」な色彩感があふれており、ドス茶色い桶に、ドス赤い液体や、ドス緑な液体、ドス青い液体が満たされ、強烈なドス臭さと相まって、この空間に独特の凄みを与えているような気がした。

そんなドス圧巻な皮なめし作業場を堪能した後は、フラフラと迷宮都市を散策。
路上にいたロバにミントの葉を食わせて遊んだり、露店で売っていた食用カタツムリのウニョウニョ動く様子を観察したり、金物屋の店先で上映されていたDVD鑑賞会に参加したりして、楽しい一日を過ごした。
まあ昼飯が今日も豆スープだったというのを除けば、とても充実した一日でした。

宿に戻ると、ムハンマドはどこかに遊びに行ってるようで不在だった。
明日の朝にはこの町を離れる予定なので、ちょっと挨拶でも交わしたいなあと思っていたのだが、まあしょうがない。
今日の宿代をムハンマドのお母ちゃんに支払う。
が、案の定、お母ちゃんはシャワー代を回収してこなかった。そんなもの、そもそも払う必要なかったみたいだ。
昨日払ったあのシャワー代はムハンマドのポケットマネーになってしまったのだろうか。
もしかしたら、ハリネズミを買うのに使われたのかもしれない。くっそー!
まあいいや、今日は楽しかったから。
明日はモロッコを出て、スペインへと向かいます。
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