2008年4月16日 の出来事 |
世界最大だった町 -グラナダ→コルドバ-
スペインには38個もの世界遺産があるらしい。イタリアに次いで世界で二番目の多さ。
別に世界遺産を見るために旅してるわけではないのだが、こういう国を旅すると、どうしても世界遺産の町を次から次へと訪問するような形になってしまう。
というわけで今日は、朝早起きしてバスに乗り、世界遺産の町グラナダから世界遺産の町コルドバへと向かった。

車内でウトウトしていたら、いつの間にかバスはコルドバの町へ到着していた。
2時間半かかったようだが、バスが快適なためかアッという間の移動に感じた。さすがはヨーロッパだ。
バスの荷台からバックパックを取り出し、町の中心部のほうへと向かう。
コルドバは、ローマ帝国時代に誕生したスペインの古都だ。
8世紀には後ウマイヤ朝の首都としてイスラム支配のもとで栄華を極め、10世紀ぐらいには世界最大の人口を持つ都市として、世界中にその名を響かせていた。
当時、西方イスラム文化・学問の中心地でもあったこの町には、300ものイスラム寺院、そして巨大な図書館が立ち並び、古今東西のあらゆる文献がこの地で翻訳され、ヨーロッパ全土へ広まっていったと言われている。
13世紀にキリスト教徒によって奪還された後は、イスラム教とキリスト教の両文化が共存する不思議な魅力を持った町として独自の進化をとげ、現在は世界遺産の町としてスペイン屈指の観光名所になっている。
バスターミナルから市バスに乗って中心部へ出ると、かつて「世界最大」だったことがウソじゃないかと思うほどに、小さくコンパクトにまとまった町並みが広がっていた。
千年以上前の話とは言え、こんな小さな町が世界最大だったとは・・・。
まあしかし、この町だったら1日あれば歩いて観光できそうだなと思い、とりあえず宿を見つけ、部屋に荷物を置いた後、すぐに町の中へと繰り出した。

コルドバの町には、想像していた通り、深い歴史を感じさせる風格が一杯に漂っていて、歩くのが楽しかった。
入場料が必要な所には入らなかったが、それでも短時間のうちに、ユダヤ人街、シナゴーグ、アルカサル、ローマ橋などの名所を見てまわり、趣深い歴史的町並みをじっくりと堪能することができた。

中でも特に印象に残ったのは、この町の中心部にドーンと巨大な姿で構えていた「メスキータ」だった。
かつて、2万5千人ものイスラム信者を収容していたといわれるこの巨大な建造物は、複雑な歴史に翻弄されながらも、往時の姿を今にとどめながら、コルドバの町の象徴として圧倒的な存在感を見せつけていた。
メスキータは、歴史の中でその支配者に応じて役割を変化させてきた。
もともとキリスト教の聖堂だったこの建造物は、イスラムに支配されてからはモスクとして500年近く使用され、その後キリスト教徒がレコンキスタでイスラムを追い出した後は、再びキリスト教の聖堂へと役割をチェンジさせられてきたのだった。
同じ女性と結婚→離婚→結婚を繰り返してきた山城新伍みたいな感じで、メスキータは聖堂→モスク→聖堂と、あっち行ったりこっち行ったり的な変化を、その支配者にあわせて歴史の中で遂げてきたのだった。
しかし、イスラム・キリスト両信徒ともに、この偉大な建造物に対して大きな敬意を払っていたようで、聖堂⇔モスクの改変の際も完全に破壊することはせず、基本的に威容を保ったまま、チョメチョメと継ぎ足し・増築を行ってその姿を残してきたのだそうだ。
モスクのミナレットだった塔は、鐘楼として現在も使用されているし、メスキータの内部には、キリスト教の祭壇のすぐ横に、イスラム文化を象徴するような「円柱の森」が並存しているらしい。
建物の中には入らなかったが、そうした両宗教の寛容さはメスキータの外観にもしっかりと現れており、不思議なミックス感で僕らの心を捉え、視線を釘付けにしたのだった。

しかしさすがは世界的に有名なコルドバの町だけあって、観光客もかなり多く、今日は久しぶりに日本人のツアー団体と出くわした。
年配の人たちが多かったが、かなり高価そうなカメラを首からさげて、これでもかってぐらいに日本語でワイワイ騒ぎながら、花の小路あたりで指をVの字にして記念撮影をしていた。
アフリカでは全く目にしなかったので、何だかすごく新鮮だった。
僕らは、ガイドさんの話す日本語の説明をコッソリ盗み聞きしながら、コルドバの歴史を勉強。なかなかタメになりました。
説明が終わると、ガイドは「それではお食事にしましょう」と言いながら、その数十人の団体を連れて、気品あふれる高級レストランの中へと消えていった。
その団体にコッソリ混じって盗み食いしようかと一瞬本気で思ったけど、さすがにそれはムリだと思い、彼らの後ろ姿を指をくわえてじっと見つめながら、近くのスーパーへ食料の買出し。
でも、「エロスキー」というカッコイイ名前のそのスーパーは、品揃えがすごく豊富で、値段もスペインにしては安く、とってもいい感じな店だった。
ということで、夕食用のラーメンだけじゃなくて、生ハムとかチーズとかチョリソーとかワインとかも買い込んで、贅沢に部屋の中で酒宴。
赤ら顔で「このダーホ!」とか言いながら、いい気分で2人仲良くスペインの味を楽しんだのでありました。

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