2008年5月 1日 の出来事 |
世界に7つだけの -リオ→サンパウロ-
今日も空は曇りがち。
昨日よりはだいぶマシだけど、でもやっぱり空には青い部分がほとんど見当たらず、一言で表すと「パッとしない天気」だった。

昨日の夜、今後の予定を色々と考えた。
僕らに残された旅の時間はそう長くない。1年という前提で考えると、残された時間はあと3ヶ月ほど。
南米にはたくさん回りたいところがあるし、中米も色んなところに行ってみたいし、北米は北米でちょっとユックリしたいし・・・、などと考えるともう全然ノンビリしているヒマはなかった。
そんなわけで、昨日考え抜いた末、ブラジルはさっさと脱出することに決めた。
サルバドールやブラジリア、マナウスやレンソイスなどなど、ブラジルには魅力的な場所がたくさんあるけれど、国土も広いし、物価も高いので、無理して急いで回ったところで、思い切った楽しみ方ができず、十分に満喫することができないんじゃないかと思ったのだ。
世界一の日本人街のあるサンパウロだけは、通り道だから立ち寄るとして、残りの場所は残念だが行くのを断念することにした。一生行けないというわけでもないしね。
今日はリオの町を離れ、そのサンパウロへと向かう予定。
朝方、コパカバーナの砂浜でビーチサッカーやってるブラジル人たちの様子を眺めていたら、「天気の良い日に、こんな光景をぼんやり眺めていたいなあ」としみじみ感じてしまったが、まあ旅にはこれぐらいの名残惜しさがちょうどいいんじゃないでしょうか。

早速、身支度を整えてからチェックアウト手続き。
さてバスターミナルへ向かうかなと、バックパックを背負って宿の従業員にさよならを告げようとしたそのとき、ロビーの壁に貼られていたあるポスターが目に入ってきた。
あっ、そういえば忘れてた・・・!
リオデジャネイロといえばカーニバルが有名だけど、それと並んで、もうひとつ有名なものがあったのだ。
そう、キリスト像。
壁のポスターには、両手を水平に広げたあのでっかい石像の写真が、中央に豪快に映し出されていた。
うー、どうしよ。行ったほうがいいかなあ・・・。
バックパックを置いて、嫁としばし相談。
ちなみにそのポスターには、中央のキリスト像を囲むようにして、別の6つの写真も掲載されていた。
それは、万里の長城、ペトラ遺跡、コロッセオ、タージ・マハル、マチュピチュ、チチェン・イッツァの写真だった。いずれも世界的に超有名な観光スポットだ。
そしてポスターにはこう記されていた。
New 7 Wonders
どうやら、このポスターに載っているのは「新・世界七不思議」として選び出された名所らしく、当然その中央に載っているキリスト像も、その7つのうちのひとつとして選ばれたもののようだった。
新・世界七不思議は、インターネットと電話による世界中からの投票をもとに、去年リスボンで決められたものだそうだ。
「じゃあ、キリスト像を見に行くか」
その【七不思議】という言葉にひかれてしまった我々夫婦は、急遽予定を変更して、これからキリスト像を見に行こうという結論にいたったのだった。
サンパウロ行きのバスは午後もたくさん出てるので、まあこれぐらいの予定変更は許容範囲内だろう。
しかし、七不思議のひとつですって言われて、キレイな写真をダダーンと見せつけられたら、そりゃあ行きたくなっちゃうよなあ・・・。
というわけで、像の立つコルコバードの丘へ行き、登山列車に乗りこんで丘の頂上まで登り、でっかいキリスト様の姿を拝んできました。
見学した感想は「ビミョウ・・・」。
万里の長城もペトラ遺跡もコロッセオもタージ・マハルも、目の前にしたとき「スゲー!」と感動したのを覚えているけど、正直このキリスト像にはそこまでの感銘は受けなかった。
デカいといえばデカいし、これを丘の上まで運んだのもすごいとは思うけど、まあしかし、それ以上のものではないかなって感じだった。どこかのテーマパークとかで、がんばって作ろうと思えば作れちゃいそうな感じだ。
普通の名所としてはすごいかもしれないけど、でも七不思議としては何とも解せないキリスト像だった・・・。
ただ、コルコバードの丘の上まだ登ってきたことは、決してムダではなかった。
その丘の上から眺めたリオデジャネイロの景色が、とても素晴らしかったのだ。
世界三大美港のひとつともいわれるこの町。
丘の上から眺めると、そう言われる理由がものすごくわかる気がした。
不思議に入り組んだその海岸線、それはところどころに見られる白い砂浜と相俟ってこの町に独特の景観を生み出していた。
市街地にはびっしりと高層ビルが立ち並び、ここが世界有数の大都会であることを見せつけていたが、山々の緑が町全体を新鮮で生気のある色に染めあげ、その凹凸が視覚的な強弱感とメリハリをこのパノラマに与えていた。
そうしたものが全体として、とてもバランスよく美しく共存していた。
リオデジャネイロは、見る者をウットリさせる甘美な魅力を持った、まるで宝石のような町のように思えた。
そして、「すごく素敵な町だな」と素直にそう感じたのだった。

まあそんな感じで、リオの観光を終了。
バスターミナルへ行き、サンパウロ行きの14時発のバスに乗り込んだ。
バス代は決して安くはなかったが、でも乗ってみると、その快適さにものすごく驚いてしまった。
座席はクッション性が抜群、フカフカで座り心地が良く、前の席との間隔も広いので、足をまっすぐ伸ばすこともできる。当然、後ろの席との間隔も広いので、リクライニングもウソみたいに180度ぐらいまで倒せてしまう。
乗務員もちゃんとしてて、顧客対応もバッチリ。乗客全員にブランケットと枕、そしてお菓子とジュースまで配ってくれた。
まるで飛行機のファーストクラス並み、いやそれ以上の、ビックリするぐらいサービスの行き届いたバスだった。
これが噂に聞く「南米のバス」というものなのだろうか。
そのレベルの高さは前々から耳にしたことがあったが、ここまですごいとは思っていなかった。
これまで旅してきた中で、間違いなくナンバー1のバスだ。ヨーロッパのバスなんて全然目じゃない。
揺れの少ないそのサンパウロ行きのバスの中、配られたお菓子をポリポリとかじりながら、これから先の南米の旅に大いなる期待を抱き、夫婦揃ってニヒヒヒと声も無く笑ったのだった。

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