2008年5月 4日 の出来事 |
41キロ地点へ -イグアス移住区-
世界三大瀑布のひとつイグアスの滝。
世界一の大きさを誇るこの滝は、ブラジルとアルゼンチンの国境にまたがっていて、両国ダブルで世界遺産に登録されており、世界中から数多くの観光客を引き寄せている。
だけどこの滝、実はそのブラジル、アルゼンチン以外にも、国境を接している国がもうひとつあるのだ。
それは、パラグアイ。
だけどパラグアイからは、直接イグアスの滝にアクセスすることはできない。
国境を接しているにも関わらず、一旦ブラジルかアルゼンチンに行かないと滝を観光することができないのだ。パラグアイは、ただでさえ観光資源の乏しい国なのに・・・。
これが国力の差なのかどうかはわからないが、パラグアイはなんだかちょっと、ダチョウ倶楽部における寺門ジモン的な存在なわけで、ちょっと可哀想な感じのする国なのであります。

サンパウロから、夜行バスでブラジル側の国境の町フォス・ド・イグアスまでやってきた僕らは、そのままそこからパラグアイ行きの国際バスへと乗り換えた。
もともと、すぐにアルゼンチンへ入る予定だったので、こないだまではパラグアイへ行くつもりは無かった。滝も見れないし。
でも、サンパウロのリベルダージで日本的な良さを改めて実感した僕らは、「パラグアイに、もっと日本の良さを感じられる場所がある」という話を聞き、それは是非とも行かねばということで予定変更したのだった。
まあ近いので、軽い寄り道みたいな感じだ。
国際バスとはいえ、乗ったのは市バスみたいな感じの、普通の小さなバスだった。

このブラジル、アルゼンチン、パラグアイの3国は、人の往来も活発で、モノの行き来も激しいため、たぶん感覚的には隣の県みたいな感じなのだろうと思う。東京と千葉と埼玉みたいに。
実際、ブラジルからパラグアイへ入る際、パスポートをチェックされることも無く、スタンプを押されることも無かった。
こりゃ密入国し放題じゃないか!と思ったけど、まあそういうもんらしい。
パスポートのページ数が少なくなってきていたので、スタンプ押されなくて僕らとしては助かったけど・・・。
国境に架かる「友情の橋」を渡ると、そこにはちょっとヘンテコな感じの電気街が広がっていた。
シウダー・デル・エステというこの町は「免税の町」として有名だそうで、色んな電化製品が比較的安く販売されているようだ。ブラジルやアルゼンチンから日帰りで買物に来る客も多いらしい。
まあ国境の町だけあって、何やら怪しげな雰囲気も漂ってたけどね・・・。

しばらくすると、バスは町外れのバスターミナルへと到着した。
しかし、ほんの30分前までブラジルにいたことが信じられないほど、ターミナル周辺には、なんだかアジアやアフリカを思い起こさせるような、そんな空気があふれていた。
道路とか建物とかもなんだかボロボロだし、全般的に薄汚れてる感じがする。ターミナルの近くでは路上でテント生活をしている人たちもたくさんいた。
ちょっとワクワクしてくる気持ちを抑えつつ、慎重に計算機でレートを計算をしながら、怪しげな両替商と取引してパラグアイ・グアラニーを入手した後、再び西のほうへと向かうバスにゆっくりと乗り込んだ。

バスは一本道を突き進んでいった。
窓の外には、この国が農業国であることがストレートに伝わってくるような、土のニオイのする風景が広がっていた。
大きな建物はほとんど目に入ってこないし、通りを歩く人の姿もあまり見かけなかった。
途中で、菓子パンの売り子がなぜかセクシーなミニスカート姿で乗ってきて、かなり気になったが、あの格好には何の意味があったんだろうか。パラグアイ的なサービス!?
バスは1時間ほどで目的の「41キロ地点」に無事到着した。
到着したといっても、普通のバス停で降ろしてもらっただけなのだが、その名前の通り、そこは単なる国境から41キロ離れた地点であり、周囲にはガソリンスタンドぐらいしか目立つ建物はなかった。
「本当にここであってるのかな・・・」
リベルダージとは丸っきり雰囲気が違った。
バス停の周りに人の姿を全く見かけなかったし、すごくヒッソリとしている感じがした。

不安になりながらも、国道を横切り、土の色をした路地を歩き進んでいくと、左手に「ペンション」という片仮名の看板を掲げた建物が見えてきた。
「おー、たぶんここだ!」
建物の中に入ると、そこには日本人がたくさんあふれていた。
ペンション園田というその宿は、日本人旅行者の間で「ものすごく居心地が良い」と言われている評判の宿だ。
この41キロ地点に広がるイグアス移住区が、まさに僕らが聞いていた「日本の良さを感じられる場所」であり、そしてこのペンション園田が、この地を訪れる長期旅行者たちの根城となっている宿だった。
宿のスタッフの人たちも、宿泊客の人たちも、新参者の僕らを暖かく迎えてくれた。
部屋もキレイだし、漫画もたくさん置いてあるし、ネットもできるし、キッチンもあるし、炊飯器もあるし、洗濯機まであるという、もう至れりつくせりの宿で、すぐに気に入ってしまった。
この自然があふれるイグアス移住区の新鮮な空気も素晴らしいし、この宿の中のマッタリとした空気もまた素晴らしい。
こりゃ、たしかに居心地がいいわ・・・。

今日は日曜日ということでお店も閉まっているため、唯一開いているというシロサワ食堂で夕食を済ませた。
日本食っぽくはなかったけど、味はなかなか美味いかったし、何より物価がブラジルに比べると全然安くて嬉しかった。
食後、ペンション園田に戻ると、卓球大会が始まった。なんとこの宿には卓球スペースまであるのだ!
久しぶりの卓球だったけど、けっこう白熱してすごく盛り上がった。やっぱり日本人が集まると楽しいねえ。
というわけでこのイグアス移住区、1日目にしてすでに居心地の良さを痛いほどに実感してしまった我々だったのでした。
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