2008年5月13日 の出来事 |
ボカのマラドーナ -ブエノスアイレス-
昼頃に起床。
さすがに2食続けてステーキというわけにもいかないので、今日のお昼はウィンナーを食べることにした。
ラーメンに入れて食べたのだが、ウィンナーから肉汁っぽい油的なものがすごくあふれだしてきて、まるで豚骨ラーメンのようなコッテリギットリなラーメンとなってしまった
まあ美味しかったので不満はないけど、しかしアルゼンチンの肉ってやっぱりなんだかすごい・・・。

今日は、ボカ地区へ観光に行くことにした。
ブエノスアイレスの下町ボカ。中でもカラフルな建物が立ち並ぶタンゴ発祥の地カミニートは、このブエノスアイレスでも一番の観光名所となっている。
もともと行こうと思っていたのだが、昨日「カミニートでマラドーナを見た」というウソかマコトかよくわからん情報を入手したため、じゃあ早いうちに行っておこうと今日行くことに決めたのだった。
まずは、アメックスのオフィスに行って、使い勝手の超悪いトラベラーズチェックを全てドル現金化。
あのアメックスにも関わらず、窓口のネエちゃんの対応がテキトウだったのが軽い驚きだったが、まあ南米なのでこんなもんなんだろう。
ヨレヨレの数十枚の100ドル札を腹巻の中に入れて、ちょこっと警戒しながら市バスに乗ってボカ地区のほうへと向かった。

ボカといえば、サッカーでも有名だ。
かつてマラドーナも所属していたボカ・ジュニアーズは、トヨタカップをはじめ18個もの国際タイトルに輝いている世界で最も有名なサッカーチームのひとつで、このアルゼンチン国内においても、圧倒的な人気を誇る強豪チームだ。
ボカ地区に到着すると、まずそのボカ・ジュニアーズのスタジアムが目に入ってきた。
ユニフォームと同じ、黄色と青が印象的なスタジアムは、狭いエリアの一角に無理やり建てられているだけあって、スタンドがものすごく急傾斜になっていた。
ボカのサポーターは非常に熱狂的なことで知られる。
ボケンセと呼ばれるそのサポーターたちの応援は本当に凄まじいそうで、試合中はこのスタジアムが激しく振動するとのこと。
試合が終わった後もその熱狂ぶりは収まらないらしく、試合後にバスに乗って帰ろうとした敵チームのサポーターが、バスの車内で銃殺されるといった事件も普通に起こってるそうだ。
試合がある日は、サポーターたちが乱れまくり暴れまくり状態になるため、周辺の商店も早めに店を閉めてしまうらしい。
聞くところによると、サポーター専用の棺おけ(もちろん黄色と青)や墓地まで販売されてるみたいで、もうサポーターにとっては、ボカ・ジュニアーズが人生そのものって感じなのかもしれない。
このスタジアムのスタンドの傾き具合も、この熱狂的なボケンセたちを、熱狂たらしめてる一つの要因なのかもしれないなと思ったりした。

スタジアムから歩くこと数分でカミニート地区に到着した。
うわさ通りのカラフルな町並みはすごく可愛らしくて、子供がとっても喜びそうなちょっぴりメルヘンな光景が広がっていた。
ラ・プラタ川沿いの港町カミニートは、かつてはブエノスアイレスを行き来する船の出入口、アルゼンチンの玄関口でもあったそうだ。
造船工場で余ったペンキを古いトタンの家々に塗っていったのが、このカラフルな町並みの始まりとされている。
港湾労働者たちのあふれる貧しい地区だったこのカミニート。人や物、文化や音楽の行き交うこの港町の安酒場でタンゴも生まれたという。
発祥の地だけあって、カミニートの小路にはタンゴのリズムが流れ、ダンサーが軽やかに足を踏みながらパフォーマンスを行っていた。
カミニートの鮮やかな色彩がダンサーの黒い衣装を小路の上に浮かびあがらせ、その軽快なステップを際立たせていた。
とても心の和む、穏やかでかつ華やかな光景だった。

そんなメルヘンな雰囲気あふれる、心の和むカミニートの路上で、ふと見たことのある顔を発見した。
「マラドーナだ!!」
昨日聞いた情報は本当だったのだろうか。
水色と白のストライプのユニフォームをまとった背番号10番が、カミニートの路上をウロウロしていた。
しかし、観光客が誰も近寄ってないのがちょっと妙だ。
そもそも、なんでユニフォームを着てるのかわからんし、むしろ彼から人が遠ざかったいるようにも見える・・・。
近くに寄ってよくよく見てみると、案の定そいつはマラドーナではなかった!
顔も体系もかなりソックリだったが、ただのニセモノだった。
観光客相手に写真撮影料を取るため、マラドーナを装ってここでやたらと行き交う人々に声をかけて商売していたのだ。
ニセ・マラドーナは、「アミーゴ!」と言いながら僕にハイタッチを求めてきたが、当然のように彼のニセ神の手は、僕の目の前で虚しく空を切ったのだった。

まあ、そんなわけで本物のマラドーナには会えなかったけど、ボカ地区を楽しんだ我々。
またまた肉屋で牛肉を買って宿へ戻り、相変わらず超ウマい分厚いステーキを夕食としてペロリ。
その肉の美味しさの余韻にひたりながら、宿の人たちとワインを傾け、マラドーナの話をしたりしながら夜遅くまで気分よく談笑したのでありました。

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