世界一周 かけあし夫婦旅行 - かけてこ

かけてこ ~世界一周かけあし夫婦旅行~

バックパック背負って世界に飛び出した夫婦の、かけあし世界一周の模様をつづったバックパッカー旅行記です ⇒サイト案内

2008年5月30日 の出来事

鉱山ツアー(1) -ポトシ-

ポトシは鉱山の町だ。

世界で最も高い場所に位置する都市として有名なこのポトシだが、かつては希少鉱物を多く産出する金銀財宝の町としてその名を世界に響かせていた。

特にこの町の象徴でもあるセロ・リコ銀山からは大量の銀が採掘され、この地に多くの労働力を集わせた。ゴールドラッシュならぬシルバーラッシュが起きたのだった。

最盛期の17世紀には20万人もの人々がこの町で生活を送っていたらしく、なんと当時、南北アメリカ大陸で最大の人口を有する都市にまで発展していたそうだ。富士山の頂上よりも全然高い場所にある町にもかかわらず。

そして、この町で産出された数万トンに及ぶ膨大な量の銀は、統治国スペインへ巨万の富をもたらした。

銀貨が世界貿易の中心貨幣だった時代、ポトシの鉱山はまさに宝の山として、太陽の沈まない国スペインに圧倒的な購買力を提供していたのだった。

しかし、その繁栄の陰には辛く悲しい歴史が存在していた。

それは鉱山で働く労働者たちの歴史だ。

酸素が薄く光も届かない鉱山の中での過酷で危険な重労働は、当然のように被支配層である先住民と黒人奴隷たちの手によって行われた。

彼らは、超劣悪なこの環境下で、ひたすらひたすら鉱脈を削り続け、そして命までも削っていった。

一説によると、スペイン統治時代にこの鉱山労働により命を落とした人々の数は800万人にものぼると言われている。

現在のボリビア全土の人口が1千万人弱であることを考えると、ありえないほど凄まじい数だ。

日本の人口に当てはめると1億人ぐらいになる。本当に恐ろしい歴史だ。

そんなわけで、スペイン統治時代の美しいコロニアルな景観が残るこの文化遺産の町ポトシは、一方でアウシュビッツや原爆ドーム等と同じく、「負の世界遺産」としての側面もあわせ持った、悲しい歴史を背負う町なのであります。

世界一高地にある町ということで、今日は体のことを考えてユックリ休むつもりでいたのだが、なんだかんだで朝から鉱山ツアーに参加することとなった。

鉱山ツアーとは、その名の通り鉱山の中を見学して回るという日帰りツアーだ。

今でも鉱山の中では普通に採掘が行われているのだが(銀はもうほとんど無いらしいけど)、その過酷な労働の現場を生で見ることができるとあって、鉱山ツアーはこの町の観光の目玉となっている。ツアーの最後には、なにやら楽しげなイベントもあるとのことだ。

ってことで、ツアーに参加したのは相変わらずのメンバー5人。

先生、アスカさん、マサ、そして我々夫婦、一緒にチリからボリビアへ抜けてきたメンバーだ。

まだまだウユニ塩湖ツアーが続いてる感じですねえ。

鉱山見学用の黄色い作業服とヘルメットを身に付け、さあ出発!

流暢な英語を話す篤実そうなガイドと一緒に車に乗って鉱山のほうへと上っていく。

途中、道の脇に売店が並ぶ緩やかな坂道で車は止まった。

「ここで、鉱夫たちへのオミヤゲを買いましょう」

ガイド氏によると、鉱山ツアーでは鉱夫たちにオミヤゲを買って持っていく習慣があるのだそうだ。お菓子やジュース、お酒やタバコなど、渡すものは何でもいいらしい。ちょっとした心づけのような感じみたいだ。

ちなみにここでは、日本で一般人が絶対に買うことができないあるモノが販売されていた。

値段は1本10ボリビアーノ(約150円)。

下の写真に写ってる売店のオバちゃんが手に持ってる棒みたいなやつがそれなんだけど、答えは後ほど・・・。

オミヤゲ購入後、さらに坂を上っていき鉱山へと到着。ガイド氏を先頭に恐る恐る鉱山の中へと入っていった。

予想通り鉱山の中は真っ暗だった。

ヘルメットに付いたライトが前方をかすかに明るく照らしだしてはいるものの、全体的に黒い空気に覆われていることには変わりなく、まるで地中深くに掘られた蟻の巣の中を歩いているような気分だった。

採掘時に発生する粉塵のせいか、空気は非常にホコリっぽく、歩いていたらすぐに喉がイガイガし始めた。

地面はどこまでもゴツゴツしており、時折、オドロオドロしい色をした液体が不気味な水たまりを作っているのが目に入った。

当然この高地なので酸素は元々薄いのだが、鉱山の中へ進めば進むほど、酸素はその薄さをどんどん増していっているような気がした。

「こんなところで本当に働いてる人がいるのだろうか・・・」

そう思いながら訝しげに坑道を進んでいたのだが、しばらく歩いていると普通に働いてる人たちに遭遇した。

いつも目にする南米の人たちのテキトウな仕事ぶりとは全く異なり、彼らは一様に非常に熱心な様子で真剣な眼差しをしながら採掘作業に取り組んでいた。それだけ危険と隣り合わせの仕事だということなのかもしれない。

木組みの滑車やトロッコのようなものを利用したりもしていたが、鉱夫たちはだいたいの仕事を手作業でこなしていた。

素人目から見ても機械でできそうだなと思える作業でさえも、全くといっていいほど機械化されていなかった。

この環境でこの重労働。まったく、恐ろしいほどに過酷な労働だなと思った。

3Kどころか10Kぐらいありそうだ。そりゃあ早死にするよな・・・。

(・・・次回へ続く)



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