2008年6月 4日 の出来事 |
すり鉢の底にて -ラパス-
ミラドール・キリキリからラパスの町を一望する。
斜面にせり出すようにしてできたこの展望所からは、ラパスの町を270度ぐらいのパノラマで眺め回すことができた。
そこには、見渡す限りの家屋が広がっていた。
こう書くと「普通じゃん」って感じかもしれないが、それはもう本当に圧巻の光景だった。これまで多くの町を旅してきたが、これほど不思議な景観の町を目にしたのは初めてだった。
ラパスは「すり鉢状の町」と呼ばれている。
この町はいわゆる盆地にあり、周りを山に囲まれているため、すり鉢のような地形の中に位置しているわけだが、驚くべきはそのすり鉢の上部、つまり山の斜面にまで町自体が広がっているということだ。
もともとラパスは、すり鉢の底部分にできた町だったのだが、人口が増えるにつれ底部分が飽和状態となり、そこに住めない人々がだんだんと斜面を上がりながら家屋を築きあげていったのだという。
今では斜面の上の淵のところまで、へばりつくようにしてビッシリと家々が並ぶ状況となっている。
そうした背景から、高層ビルが立ち並ぶ底部分には高所得者が住み、粗末な家屋が隙間無く並ぶ斜面の上部には低所得者が多く住む、という住み分けがこのすり鉢の中でなされているようだ。

それにしても、立体感というか奥行きというか遠近感というか、そういった三次元的な感覚を司る神経をものすごく刺激する景色だった。
おまけに「雲の上の町」とも呼ばれるほどに標高の高い場所に位置する町(標高3,600メートル)なわけで、空は近くそして青い。空気は乾燥しており、太陽の光は強烈に降り注いでいる。
そのため、町の中のひとつひとつの建物が、ハッキリとリアルに目に飛び込んできたのだが、しかし逆説的に、何というかまるでミニチュアのような町に思えてしまったのもたしかだった。
とにかくラパスは、とっても不思議な町に思えたのだった。

ミラドール・キリキリで思う存分ラパスの町を眺め回した後は、すり鉢の底部分へと戻り、宿の周辺を散策することにした。
嫁の体調も回復したようで、今日は全然歩き回っても問題無さそうだ。
宿のあるサンフランシスコ寺院周辺には、露店がずらりと並び、インディヘナのオバちゃんたちによって、パンや野菜、海賊版のDVDやら化粧品まで様々なものが販売されている。
リャマやラクダのミイラといった、かなり怪しげな呪術アイテムが並ぶ「魔女通り」と呼ばれる路地もあるほどだ。
こういう活気のある賑やかなエリアは、歩いているだけでも楽しいのだが、今日は思い切って色んなものを買いまくってしまった。
買ったのは、民芸品の雑貨や小物、服など。
あの南米って感じの柄・素材でできた民芸品については、チリあたりからずっと良いなあと思って関心を注いでいたのだが、ここに来てそれが爆発したのだった。

なんといってもここラパスでは、そうした民族色豊かなカワイらしい品々を、安く手に入れることができるのだ。
いつもは嫁の買い物のブレーキ役を担当する僕も、今日ばかりはここぞとばかりにかなり買い込んでしまった。というか、夫婦で別行動してまでそれぞれの欲しいものを買い漁ったのだった。
いやあ、たまには買い物も楽しいもんですね。
しかし、買ったはいいものの、とてもじゃないけどバックパックに入れられるような量じゃなかった。完全にキャパオーバー。
まあ、入れたところで荷物が重くなるからイヤなんだけどね。
近日中に郵便局に行って日本へ送らねば・・・。

ちなみに今日は昼飯をウワサの「けんちゃん」で食べた。
イマイチな日本食は一昨日食べたけど、今回は念願の美味しい日本食!
嫁は懲りずにまたラーメン、そして僕はトゥルーチャ(鱒)のちらし寿司を注文したのだが、味のほうは評判通りの素晴らしい美味しさだった。
こんなウマい日本食はいつ以来だろうか。本当に美味しくて涙が出そうだった。
おまけに食後も1時間ほど居座り、お店に置いてある日本の雑誌を、まさに食い入るように読みふけったのだった。けんちゃん、サイコー。
そんなわけで、不思議な景色も拝めたし、楽しく買い物もできたし、美味しい日本食も食べれたし、もうあと5年ぐらいこの町に住んでもいいなと思った、そんな一日だったのでした。
でも、ツバかけ強盗とかに遭ったら、ものすごく気持ちが萎えそうだけどね・・・。

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