世界一周 かけあし夫婦旅行 - かけてこ

かけてこ ~世界一周かけあし夫婦旅行~

バックパック背負って世界に飛び出した夫婦の、かけあし世界一周の模様をつづったバックパッカー旅行記です ⇒サイト案内

2008年6月21日 の出来事

太陽の涙と12角の石 -クスコ-

南米大陸の西側に、北はコロンビアから南はチリに至るまで、アンデス山脈に沿うようにして日本の約8倍もの領土を誇る大帝国が16世紀初頭まで存在していた。

その名はインカ帝国。

インカとはケチュア語で「太陽の子」を意味するのだが、アンデスの高地に築かれたこの国にとって、太陽は極めて特別な存在であった。

人々は、真っ青な乾いた空から強烈な光を注いでくる太陽を絶対的な崇拝の対象として畏れ敬い、インカ皇帝を太陽神の御子と見なしたのだった。

そしてインカの民は、地上に存在する黄金の輝きをその太陽の輝きと同じものとしてとらえ、「金は太陽の涙」であると考えた。

かつてインカ帝国の都であったクスコには、その太陽の涙である金があふれかえっていたそうだ。

アルマス広場周辺には黄金で彩られた壮麗な宮殿が建ち並び、黄金製の太陽の像が安置された「太陽の神殿」の中庭には、黄金で作られたトウモロコシやリャマ、牧夫などの像がいくつも並んでいたと言われている。

この地は、まさに黄金の都であったのだ。

宿の近くの坂を上のほうまで百メートルほど上っていくと、見晴らしが良いという評判のサンクリストバル教会へたどりつくことができた。

ボリビアよりも標高は低いとはいえ高地であることには変わりなく、わずかな距離しか歩いていないにもかかわらず、心臓がドクドクと音を立てて激しく動いているのが自分でもわかった。

ゆっくりと深呼吸をしながら後ろを振り返ってみる。

すると、そこにはピューマをかたどったと言われるクスコの町の全景が広がっていた。

・・・が、そこにはもう黄金の輝きは存在していなかった。

そこにあったのは、黄金の余韻さえも漂っていない、スペイン占領後に築かれたコロニアルな町並みだった。

しかし、オリジナルのインカ帝国の町並みで無いとはいえ、これはこれでものすごく見応えのある眺望だった。

高地特有の自然景観がそうさせるのか、インカ帝国時代の残り香がそうさせるのかはわからないが、町全体が非常に優美な雰囲気を漂わせており、本場スペインで見たどの町よりも美しい町並みのように感じられた。

周囲を山々に囲まれたその感じはラパスのようでもあったし、一面に赤屋根が広がる様子はドブロブニクのようでもあった。

とにかくこの町が、期待通りの美しい町であることは間違いなかった。


丘の上からの眺望をしばらく堪能した後、坂を下りアルマス広場周辺を散策した。

インカ帝国には、文字や鉄器、車輪や大型家畜など、近代文明において必須と思われるいくつかの要素が存在していなかったと言われている。

にもかかわらずこの帝国は、当時の世界の水準から考えると驚異的に思えるほどの、高度で洗練された文明を築き上げていた。

特にその石造建築、石の加工技術の高さについては目を見張るものがあり、現代社会においても困難と思われるような建造物がインカ時代にはいくつも造りあげられていた。

アルマス広場の東側に続くハトゥン・ルミヨク通りを歩いて行くと、有名な観光スポットのひとつ「12角の石」が目に入ってきた。

インカの石組みは「カミソリの刃も通さない」と言われるほど、複数の石を精密にキッチリと積み上げて作られているのだが、この12角の石はまさにその象徴だった。

なんと、12個もの角を持つ1メートルほどの巨大な石が、寸分のすき間も無くその周りの複数の石と見事にぴったりと合わさって組み上げられているのだ。

12角の周りには8角とか9角とかの石もたくさんあり、石組み全体がまるで筋が描かれた一枚岩にのように見えた。

鉄器で石を削ることもできなかったにもかかわらず、接合剤も一切使わずにこんな石組みを作り上げたインカの人々って、一体何者だったのだろうか。

いやあ、見事すぎる・・・。

でも、実はここの近くに14角の石もあったんだけど、そっちは小さくてあまり目立たないため、観光名所にはなっていないみたいだった。

角の数が多ければ人が集まるってわけでもないみたい・・・。

ちなみに、なんでわざわざ加工も組み上げも面倒くさいそんなデコボコ型にしたのかというと、諸説あるが、ひとつは地震の際に発生する力や振動を分散させて逃がすためだったと言われている。

まあうちらも結構デコボコな夫婦だけど、我ながら地面を震わすような嫁の突発的で激情的な怒りを、僕がうまい具合に分散させながら堪えていると思う。それと同じ原理かな?

実際、1950年にこの地が大地震に見舞われた際、占領後にスペイン人たちによって造られた建物はボロボロに崩れ去ったらしいのだが、これらのインカの石組みはビクともしなかったそうだ。

なんというか、もうあっぱれとしか言いようがないですね。

そんな感じで、インカ帝国とクスコの町に魅了されながら散策を終えた僕らは、宿へと戻って昨日と同じくゆったりまったり。

適当に夕飯を食べた後、さらにひたすらまったりしていたら、いきなり爆竹のような音が宿の裏手あたりから聞こえてきた。

「あっ、そういえば!」と思って部屋を飛び出すと、案の定、空には色とりどりの花火が打ち上がっていた。

インティライミに向けて今日は夜から花火が打ち上がると聞いていたが、その通り、夜空一面に綺麗な花火が舞っていたのだった。

どうやら花火の発射場所は今日行ったあのサンクリストバル教会のようで、ものすごく近くから上がっている感じがした。火薬の匂いもガンガンに漂ってきた。

まあでも、楽しい気分にさせてくれるし、お祭り気分を盛り上げてくれるし、花火ってやっぱりいいもんです。

ちなみにインティライミの開催日は、3日後の6月24日。

なのでこれは、インティライミの前々々夜祭ってことになるのかな・・・。



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