2008年6月26日 の出来事 |
憧れの天空都市 -マチュピチュ-
早朝6時。
開園とともにゲートをくぐると、そこには人の気配の全くない、霞に包まれた幻想的な遺跡の風景が広がっていた。
「おー、マチュピチュだー!」
感嘆の声をあげずにはいられないほどに素晴らしい景色が目の前に広がっていたが、とりあえず嫁の手を取り、走って走ってマチュピチュの奥のほうへと突き進んでいった。

息を切らせながら到着したワイナピチュの入山口には、幸いまだ20人ほどの観光客しか並んでいなかった。
早起きしてよかった・・・。
とりあえずホッとしながら、その入山口が開くまでの数十分の間、遺跡内を軽く見回し、マチュピチュの神秘的な美しい姿にしばし酔いしれたのだった。
ワイナピチュはマチュピチュの背後にそびえる切り立った山だ。
「マチュピチュの写真によく写ってる三角の山」と言うとイメージしやすいかもしれない。
標高2,400メートルに位置するマチュピチュだが、ワイナピチュはそれよりも300メートルほど高く、山の上のほうに登るとマチュピチュの全景を見渡すことができる。
そのため、マチュピチュを訪れる多くの観光客がワイナピチュにも登ろうとするのだが、しかし遺跡保護と安全のためにこの山は厳しく入山制限がなされており、毎日7時と10時の2回、それぞれ200人までしか登ることができないようになっている。
というわけで、どうしてもワイナピチュに登りたかった僕らは、超早起きして朝一でマチュピチュを訪れ、そして開園するなり全力でこの入山口まで走ってきたのだった。
入山口が開く頃には後ろに長蛇の列が続いていたが、先頭のほうに並ぶことができた僕らは、ゆっくりあわてずに入山口をくぐり、マイペースな感じでワイナピチュの山道を登り始めたのだった。

しかし、ワイナピチュの山道を登るのは想像以上に大変だった。
マチュピチュとの高低差はわずか300メートルほどとは言え、そもそも標高が高いので空気は薄いし、尖った山なだけあって傾斜も急だしで、小学校のハイキングとかで登るようなやつとは根本的に全く違ってて、相当に険しい山道だった。
僕らは両手両足をフル稼働させて、汗だくのゼエゼエハアハア状態になりながら、その崖のような山道を必死に登っていった。こりゃ老後に登ろうと思っても無理だろうな・・・。
ちなみに、ここではよく転落事故(もちろん落ちたら死ぬ)が起きてるらしいので、登る人はご注意を!
登山中に見える景色はものすごく素晴らしいんけど、その絶景に目を奪われて油断してると崖をコロコロ落ちてしまうかも・・・。

悪戦苦闘しながらも、なんとか1時間ほどでワイナピチュの頂上へ到着。ふう、疲れた。
この辺りは岩がゴツゴツしててさらに危ないエリアなのだが、欧米人連中は余裕そうな感じで、岩場の上ではしゃいだり踊ったりしていた。死んでも知らんよ。
僕らは恐る恐る岩場を伝って眺めのいい場所へ行き、マチュピチュを遠望。
インカ帝国のシンボルであるコンドルの形を模して作られたと言われている、その天空都市マチュピチュの全景をぼんやりと眺めながら、この感動的な景色をじっくりしっかりと目に焼き付けたのだった。

頂上からの極上の眺望に満足した我々は、ワイナピチュをゆっくりと下山。その後はマチュピチュ内をアテもなく散策した。
マチュピチュは、15世紀半ばに建造されたインカの古代都市だと言われている。
インカ帝国滅亡後は長く歴史の中から消え去っていたのだが、19世紀初頭にアメリカ人大学講師ハイラム・ビンガムに発見されて以降は、様々な視点から発掘・調査が進められ、多くの論文や書籍を通じてその研究成果が披露されてきた。
しかし、「なぜこんな隔絶された山中に築かれたのか」、「どのような目的で造られたのか」、「どうやって巨石をここまで運び上げたのか」などなどその多くは未だ謎に包まれまくっている。本当に超ミステリアスな遺跡だ(ちなみに、あの新・世界七不思議のひとつにも選ばれている)。
その神秘性もあって、マチュピチュは僕の中で憧れの存在だった。
高校生の頃に歴史の教科書でこの遺跡の写真を目にして以来、ずっと僕の中の「死ぬまでに行ってみたい場所」ランキングのトップに君臨してきたのがこのマチュピチュだった。
だから、マチュピチュの中を自分が歩いているということが、なんだか少し信じられない感じだった。
周囲の風景のためかもしれないが、マチュピチュを歩いていると、まるで雲の上を歩いているかのような、そんなすごく不思議な気分になったのだった。

しかし夢見心地でマチュピチュの中を歩いていた僕らは、いつの間にか本当に夢の世界へと突入してしまったのだった!
強烈な睡魔に襲われて、夫婦ともども遺跡の中の草の上で昼寝・・・。
今日は超早起きだったし、ワイナピチュにも登ったし、体がかなり疲れてたのかな。。

そんなわけで、30分ほどだったけど、5ツ星ホテルのスウィートルームのベッドの上で寝るのよりも遥かに贅沢な睡眠をとった僕らは、再びマチュピチュ散策を再開。
インカの石組みの素晴らしさに驚嘆したり、高度な灌漑設備に舌を巻いたり、整然と積み上げられた段々畑の美しさに息をのんだりしながら、憧れの遺跡の中を歩き回ったのだった。
しかしやはり、段々畑を登った上にある見張り小屋と呼ばれるところからの眺めが、もう最高に最高だった。
そこから見ることのできた「これぞマチュピチュ!」って感じの風景は、なんとも形容しがたいほどにものすごく見事で圧倒的だった。
これまで数多くの遺跡を訪れてきたけど、「やはりマチュピチュがダントツでナンバーワンだな」ということを、まざまざと感じさせてくれた、そんな風景だった。
といった感じでマチュピチュ見学終了。
途中で昼寝はしたけど、憧れの遺跡を存分に満喫することができて大満足の一日だった。きっと今日は、僕の人生の中でも忘れられない一日になったことでしょう。
しかしこれから先、どんな遺跡を見ても感動しなくなってしまいそうでちょっと怖いな・・・。

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